フライフィッシング用のタイイングバイスについて

フライタイイングで必要となるツールで必ず必要で、しかも高価なツールにバイスがあります。

有名なもので言えばダイナキングやレンゼッティーなどがあります。

しかし、それらのバイスはエントリークラスのものでも5万円〜、レンゼッティーのマスターバイスに至っては10万円以上とかなり高価。

値段が値段なだけあり、ちょっと気に入らないからといってそうそう買い替えることも難しいかと思います。

今まで私が使ったことのあるバイスは3台。

ショップ店員やプロタイヤーの方に比べたら当然少ないですが、それぞれについて良いところ、イマイチだったところがあるので、購入するときの参考にしてもらえると幸いです。

最初に買ったのが、TMCソリッドバイスHD。

次に買ったのが、ダイナキング・バラクーダ。

それから、いまメインに使っているTMCバイスIIです。

目次

バイスには大きく分けると2種類あるよ

フライタイイング用のバイスには大きく分けて2種類の形状があります。

1つは構造の単純なスタンダードなもの。

もう一つはロータリーバイスなどと呼ばれるタイプのもの。

価格的にはスタンダードタイプのほうが安く、ロータリーバイスのほうが高価です。

ただ、プロタイヤーの方でもスタンダードタイプを愛用している人も多く、それぞれに一長一短あります。

スタンダードタイプはドライフライや管釣り用のフライなどを大量生産するのに向いてる印象。

ロータリーバイスは1本のフライを丁寧に作り込んでいくのに向いている印象です。

スタンダードタイプのバイスもロータリー機構が付いていたりするものもありますが、回転させるとシャンクの向きが変わってしまいます。

ロータリーバイスはシャンクの向きを水平に保ったまま、フライを回転させることができます。

その他にも、フライの固定方式がレバーロックか、ダイヤルロックか。

ペディスタイルと呼ばれる、台座がついているタイプか、机に固定するクランプタイプなどの違いがあります。

TMCソリッドバイスHD

私が初めて購入したバイスです。

TMCバイスIIを買った今でも、主にチューブフライを巻くときや、バズバグなどのスレッドに力をかけて巻くフライの時に活躍中です。

ティムコのwebサイトには32~#4のフックサイズに対応と書いてありますが、2/0サイズのフックでも問題なく掴むことが出来ます。

コンパクトな「TMCソリッドバイス」とスタンダードサイズの「TMCソリッドバイスHD」がありますが、自宅で使うのならHDのほうがおすすめです。

TMCソリッドバイスの良いところ

フックの固定がレバー式

TMCソリッドバイスはフックの固定をレバーによって行います。

先端のナットで一度調整を行ってしまえば、レバーによって同じフックなら毎回同じように固定できます。

管釣り用などのエッグやトラウトガムなど、同じフライを大量生産をするときに向いています。

チューブフライのアダプターがしっかり固定できる

ジョーを分解すると割と切れ込みが長めに入っています。

切れ込みの奥にまでチューブフライ用のアダプターを差し込んでガッチリ固定することができます。

この時、バイスを水平にしてやれば、回転させたときもフライが傾かないため、タイイングがしやすくなります。

TMCソリッドバイスのイマイチなところ

ロータリーを回すとシャンクの向きが変わる

スタンダードタイプのバイス全般に言えることですが、ロータリーでフックを回転させると、フックが傾いてしまいます。

特にフライの裏側を仕上げたいときなどはちょっとやりにくかったりします。

まあバイスを傾けると解決するんですけどね。

ただ、ストリーマーなどのフックの後ろにマテリアルが長く伸びているようなフライだとちょっと巻きづらいです。

TMCソリッドバイスがおすすめな人

  • たくさんフライを量産したい人
  • 激安バイスで満足できなくなった人
  • コストパフォマンスがよく、しっかりとしたバイスが欲しい人

ダイナキング・バラクーダ

ロータリーバイスが欲しくて買ったバイスです。

さすがはバイスの王者と呼ばれているだけあり、仕上げも美しくよいバイスでした。

しかし、個体差なのかもしれませんが、一点だけ気に入らない事があり手放してしまいました。

そこら辺のことは↓に書きました。

適合フックサイズは8/0〜#22となっていますが、#30のミッジサイズのフックでも問題なく摘むことが出来ます。

大きなフックサイズは使わないよっていうのなら、ミッジサイズ用のスペアージョーにしてもいいかもしれません。

そちらは、適合フックサイズが#8~#32となっています。

ダイナキング・バラクーダの良いところ

とにかく美しい

バイスの王者というだけあり、高級感があります。

仕上げも美しく、目の前にするとタイイング欲がモリモリ湧いてきます。

重さがあるため、安定している

バラクーダは重量が約2.5キロあり、かなり重たいです。

軽いバイスではタイイング中にバイスごと動いてしまうことがあるのですが、重くて安定しているバイスならスレッドを少し力を入れて締めたぐらいではびくともしません。

ダイナキング・バラクーダのイマイチなところ

なぜか固定できないフックがある(場合もある)

以前の記事にも書いたことなのですが、なぜかどれだけ固く固定してもズレてしまうフックがありました。

それが、バリバスの2410vの#10。

私がウェットフライを巻くときによく使っているフックなのですが、なぜかこのフックがガッチリ固定できず、タイイング中にフックがズレてしまうことが多発していました。

ちなみに、それ以外のフックに関してはガッチリ固定することが出来ました。

もしかすると、ジョーを交換すれば固定することができたのかもしれませんが、結局1年ぐらいで手放してしまいました。

ダイナキング・バラクーダがおすすめな人

  • 一生モノのロータリーバイスが欲しい人
  • 1本のフライを丁寧にタイイングしたい人
  • メイドインUSAが大好きな人

TMCバイスII

今メインで使っているバイスです。

ダイナキング・バラクーダと入れ替えで購入しました。

ラージサイズのジョーも付属しているため、8/0~#32のフックサイズに対応しています。ノーマルのジョーだと2/0ぐらいまでなら固定できるかな。

フライの固定がダイヤルロックなので毎回微調整が必要となり、大量生産するには向いていませんが、のんびりとタイイングするのには向いているんじゃないかなと思っています。

TMCバイスIIの良いところ

可動部が多く自由度が高い

TMCバイスの最大の特徴は可動部が多いこと。

そのため、あらゆる方向にフライを動かすことが出来ます。

普通のロータリーバイスのようにフライを回転させることはもちろん・・・

ここのレバーを緩めると、こんな感じでジョーだけを回すことも出来ます。

ウェットフライなどでシャンク下側にマテリアルを固定するときやマドラーヘッドを刈り上げるときなどに非常に便利です。

各部のネジを調整することで、可動部のテンションを調整する事ができます。

TMCバイスIIのイマイチなところ

バスバグのタイイングには向いていないかも

可動部が多いのが最大のメリットなのですが、そこがデメリットになる場合があります。

バスバグなどのスレッドに荷重をかけて巻くタイプのフライですと、スレッドを引っ張った時にバイスの可動部が動いてしまうことがよくあります。

とは言っても、マドラーミノーのヘッドを作るときや一般的なソルトフライのタイイングぐらいではまったく問題はありません。

TMCバイスIIがおすすめな人

  • 1本のフライを丁寧に仕上げたい人
  • 日本製のサポートのしっかりしたバイスが使いたい人

ダイナキングやレンゼッティーのエントリークラスの価格で、最高峰のバイスを手にできるコストパフォマンスの良さも魅力です。

まとめ

数千円から10万円を超えるものまでいろいろなバイスが売っています。

ここに書いている以外にも、C&F DESIGNレンゼッティーなどの評判の良いバイスがあります。

以前は入門者用の鉄板バイスで、ティムコが取り扱っていたアンビルバイスというのがあったのですが、ティムコが取り扱いをやめてしまったのかカタログ落ちしてしまっています。

個人的には、バスバグタイヤーのパット・コーヘンも愛用しているピークフィッシングのロータリーバイスが気になっています。

みなさんも、ぜひ自分にあったバイスでフライを巻いてみましょう。

おしまい。

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