私が普段タイイングしている時に使っている、全てのツールを紹介していきたいと思います。
フライと言えば渓流か管釣りの人が多いかと思いますが、私の住んでいるところが海のそばで渓流や管釣りに行くためには、車で最低でも1時間以上かかってしまいます。
そのため最初は渓流でフライフィッシングを楽しむ予定でしたが、海が近いからソルトフライフィッシングをやってみようとか、せっかくだから本流でウェットフライをやってみようなど、いろんな事に手を出すことになってしまいました。
なので、ドライフライをタイイングするのに、あまり使わないようなツールもいろいろ使ったりしてきました。
あまり見慣れないツールもあるかもしれませんが、参考になれば幸いです。
ちなみに、最初からいきなりすべて揃える必要はなく、最初はボビンホルダーとマテリアルだけあれば、家にあるものや百均の道具を使ってフライを巻くことが出来ます。
興味のある方は挑戦してみてはいかがでしょう。
バイス
私が現在使っているバイスは「TMCソリッドバイスHD」と「TMCバイスII」の2つ。
どちらも非常に良いバイスで、おすすめです。
使い勝手などは、過去に記事を書きましたので参考にしてみてください。
TMCソリッドバイスHD
初めて買ったタイイングバイスです。
最初の一台としては少し豪華すぎる気もしますが、長く使えるモノなので買ってよかったと思います。
管釣り用のエッグフライなどタイイングの簡単なフライを大量に巻くときには、TMCバイスIIよりこちらのほうが向いています。
あとバスバグを巻くときも、こちらのバイスを使っています。
ダイナキングのプロフェッショナルとほぼ同じような構造で、価格は3分の1程度とコストパフォーマンスも抜群。
- おすすめ度 ★★★★☆
TMCバイスII
いま私がメインで使用しているタイイングバイス。
ロータリーバイスを買おうと思っているけど何がいいか迷っているなら、このバイスはかなりオススメ。
特にこのTMCバイスIIは、ダイナキングやレンゼッティーなどのロータリーバイスより可動部が多く、フライをあらゆる位置で固定しておけます。
裏側にマテリアルをつけることも多い、ウェットフライやソルトフライをタイイングする時にとても便利です。
ただ、バスバグをタイイングするときは、強くスレッドを引っ張ると可動部が動いてしまうので、ピークフィッシングなどの頑丈なロータリーバイスのほうが良いです。
- おすすめ度 ★★★☆☆
ティムコ ダストバッグ
ティムコのダストバッグ。
タイイング中に出たスレッドやハックルの切れ端などを溜めておけるようになっています。
バイスの支柱にパチンとワンタッチで固定できるのですが、外す時には結構力がいるため、爪を割ってしまったことがあります。
今買うならC&F DESIGNのマグネット式のほうがオススメかな。
- おすすめ度 ★★☆☆☆
ツールスタンド
TMC ツールスタンド
ティムコのツールスタンドです。
ツールスタンドはタイイングツールが増えてくると机の上が散らかってくるため、必ず欲しくなります。
銘木製の高級なやつもありますが、フォーム製のスタンドなら先端の尖ったシザーズなども気にせず立てておけるので非常に使い勝手が良いです。
柔らかいフォームで出来ているので、私はよくヘッドセメントを塗ったフライを刺して乾燥させています。
- おすすめ度 ★★★★☆
ボビンホルダー
TMC セラミックボビンホルダー ストレート
今持っているボビンホルダーは3つ。
すべて、ティムコのセラミックボビンホルダーです。
白いスタンダードと黒いヘビーデューティーがありますが、あまり気にして使い分けなどはしていません。
5千円以上するような高級ボビンホルダーもありますが、タイイング初心者ならこのボビンホルダーを2つか3つぐらい買っておいたほうが間違いないです。
ちなみに金属製パイプの安いボビンホルダーは、摩擦でスレッドがすぐに切れてしまうのでオススメしないです。
- おすすめ度 ★★★★★
シザーズ・刃物など
TMC レイザーシザーズ T/Cブレード
最初は百均の眉毛用のハサミを使っていたのですが、さすがにちゃんとしたのを、と思い買ったシザーズです。
実はミズタニの「KAVA」を買った今でも、こっちのほうが使用頻度は高かったりします。
買ったお店の店長いわく、「シザーズは一番良く使うし、ある程度良いものを買ったほうがストレスなくタイイングできる」とのこと。
もちろん百均のハサミでもスレッドは切ることは出来ますが、この価格帯のシザーズを一度使ってしまうと、流石にもう元には戻れませんね。
非常に硬いタングステン鋼で出来ていて少々重いのと、床に落とすと一発で先端が欠けてしまうのが難点。
しかし非常に切れ味もよく、結構乱暴な使い方をしているにも関わらず切れ味が落ちにくいです。
- おすすめ度 ★★★★☆
ミズタニ タイイングシザーズ「Kava」
理容師用ハサミの専門メーカーとして有名なミズタニが製造している、超高級フライタイイング用シザーズです。
見た目の高級感や性能も他のシザースを超越しており、まさに究極のタイイングシザーズです。
ほつれてはみ出したスレッドや細かいもヒゲも、逃がすことなくスパッと切ることが出来ます。
マジでよく切れすぎて、切っている感覚が無いぐらい。
切れ味が落ちてきたら研ぎ直しも出来るなど、アフターメンテナンスもバッチリなようです。
理美容師さんの使っているハサミが10万円を超えることを考えると、このシザーズの2万円という価格は結構破格に思えてきます。
ちょっと気になってミズタニシザーズのホームページを覗いてみたのですが、製品ページが無くなっているみたいですね。生産終了?
でもショップなどのページを見ると受注生産と書いてあります。
もし見つけらた即買いです。こんな素晴らしいシザーズはもう出ることは無いかもしれません。
- おすすめ度 ★★★★★
SUPERFLY スカルプティングシザーズ
バスバグで有名なパット・コーヘン氏のブランドが出しているカーブシザーズ。
バスバグを巻く時ぐらいしか出番がないです。
ボデーのR部分をカットする時に愛用しています。
- おすすめ度 ★★★☆☆
SK11 SMM-145
グリップを含めた長さが15cm、刃長3.5cmの小さな板金バサミです。
主に細いワイヤーや板オモリなどをカットする時に使用しています。
ワンタッチでロックが掛かりとても便利。
タイイング用のシザーズで硬いワイヤーをカットなんてしたら刃が欠けてしまいそうですが、この板金ハサミなら気にせず切ることが出来ます。
値段も手頃ですし、一本持っておくとかなり便利です。
- おすすめ度 ★★★★☆
フェザー カミソリ ハイ・ステンレス
マドラーミノーやバスバグなど、フレアさせたディアヘアーをカットするためのカミソリの刃。
めちゃくちゃ良く切れるので、ケガをしないように取り扱い注意です。
特にバスバグの形を大まかに作る時は、ハサミよりカミソリのほうが早く出来ます。
バスバグやマドラーミノーをタイイングするときの必需品です。
ハックルプライヤー
TMCリングハックルプライヤー
ハックルやピーコックハール、ポーラシェニールなどを巻くときによく使っています。
長いハックルは手で持ってハックリング出来ますが、短いものを巻く時は必需品になります。
- おすすめ度 ★★★☆☆
J・DORIN’S ティアドロップ・ハックルプライヤー
J. Dorin’s のティアドロップ・ハックルプライヤー。
評判がすごぶる良かったので買ってみました。
使用頻度はTMCリングハックルプライヤーの方が多いかな?
たまに気が向いたときに使っています。
残念ながら製造中止になってしまいましたが、後継の製品がGriffinから出ています。
- おすすめ度 ★★☆☆☆
ニードル
TMC ダビングニードル
ティムコの定番ダビングニードル。
ヘッドセメントを塗布したり、ダビング材をかき出したりいろいろな場面で活躍します。
反対側はハーフヒッチャーになっています。
- おすすめ度 ★★★★☆
タイイングブラシ
TMCタイイングブラシ
ダビング材をかき出したりする時に便利なブラシです。
ぶっちゃけ、わざわざ買わなくても硬めの歯ブラシでも良いかも・・・
先端が細い分、細かく調整することが出来るので便利なのですけどね。
- おすすめ度 ★★☆☆☆
スタッカー
TMCスタッカー
定番のティムコのスタッカーです。
私はMサイズを使用しています。
使用頻度は高くないものの、エルクヘアカディスなど獣毛を使用する系のフライをタイイングする時に必要になります。
- おすすめ度 ★★★☆☆
AK’S マグナムスタッカー
釣具屋さんのすみっこに眠っていたマグナムサイズのスタッカーです。
主にバスバグをタイイングする時に使っています。
- おすすめ度 ★★☆☆☆
今では、入手が難しいのでバスバグ用スタッカーで今買えるものですと、↓のマグナムサイズがおすすめです。
ウィップフィニッシャー
上から、メーカー不明のウィップフィニッシャー。
TMCミッジフィニッシャー。
Tealクイックフィニッシャー。
メーカー不明ウィップフィニッシャー
ウィップフィニッシャーはマタレリ社の物が有名ですが、もうすでに生産が終了してしまっているようです。
写真のフィニッシャーは多分サンライズかスミス製だと思うのですが、類似品が多くてよく分かりません。
ティムコからプレミアムラインのフィニッシャーが販売されていますがどうなんでしょうね?
でも、この1000円以下で買えるウィップフィニッシャーでも十分使えますよ。
- おすすめ度 ★★★☆☆
TMCミッジフィニッシャー
ティムコのミッジサイズ用のフィニッシャー。
ただミッジの時はハーフヒッチでフィニッシュをすることが多いので、出番は少ないです。
- おすすめ度 ★★☆☆☆
TEAL クイックフィニッシャー
杉浦雄三さんがオーナーのフライショップ「TEAL」のクイックフィニッシャーです。
元々ティムコからオリジナルのフィニッシャーが出ていたのですが、販売終了してしまった為、愛用していた杉浦さんが知人に頼んで作ってもらったものらしいです。(もちろんティムコの了解を得てです)
慣れると普通のウィップフィニッシャーより早くフィニッシュ作業ができます。
- おすすめ度 ★★★★☆
http://www.teal-flyfishing.com/
ツイスター
C&F DESIGN ダビングツイスタープラス
C&F DESIGNのツイスターです。
マルク・プティジャンのツイスターを買ってからは全く使わなくなってしまいました。
- おすすめ度 ★☆☆☆☆
マルク・ペティジャン MPツイスター
マルク・ペティジャンのMPツイスター。
ツイスターはもうこれ一択というぐらい気に入っています。
スレッドにマテリアルを挟んだままスプリングで固定、ツイストしてそのままフックに巻いていくことも出来ます。
ただ、マルク・プティジャンのツールってクッソ高いんだよなー。
後、ペティジャンなのかプティジャンなのかパティジャンなのかはっきりしてほしい。
- おすすめ度 ★★★★★
マジックツール
マルク・ペティジャン マジックツール
マルク・ペティジャンといえばマジックツール。
使い方は、動画を見てほしいのですが、マジでフライタイイングの幅が広がります。
全フライタイヤー必携のツールですが、ご多分に漏れずこれもクッソ高い。
こんなプラスチックのクリップが数個で5千円近くします・・・
それでも、これがないと巻けないフライがあるんですよね。
上記のMPツイスターとセットで使うと、作業性が更にアップします。
- おすすめ度 ★★★★★
コーム
TMCヘアーコーム
残念ながらカタログ落ちしてしまったようなのですが、ティムコのヘアーコームです。(まあ百均のクシでも十分だからね)
ディアヘアーやバックテールのアンダーファーを取り除くのに使っています。
獣毛をよく使うウェットフライやストリーマーなどのフライを巻く時は必需品です。
- おすすめ度 ★★☆☆☆
百均のクシ
百均で買ったクシです。
シンセティック素材の「エクストラセレクトクラフトファー」などの細い素材の時はTMCのヘアーコームだと切れてしまったりするので、少し目の荒い百均のクシを使用しています。
小ぶりなものを買ったほうが、使い勝手は良い感じです。
ぶっちゃけわざわざTMCのヘアコーム買わなくても、百均のクシで十分。
まあ、私はTMCのを買ってしまったので、使い分けていますがね。
- おすすめ度 ★★★★☆
ヘアーパッカー
ファグリーパッカー
プロタイヤー、パット・コーヘン氏の代名詞とも言える、世界最強のヘアーパッカーです。
バスバグをタイイングするときには必需品です。
出っ張りがあるおかげで手が滑らず、グイグイとヘアーを押し込むことが出来ます。
バスバグのタイイングの時は必需品です。
- おすすめ度 ★★★★☆
ヘッドセメント・接着剤など
TMC ヘッドセメント
ティムコのヘッドセメントです。
ハケ付きの小瓶に入れ替えて使っています。
クリヤーは主にドライフライのフィニッシュに、ブラックはウェットフライの時に使っています。
ブラックはブラスビーズを黒く塗りたいときにも使えて便利です。
- おすすめ度 ★★★★☆
TMC マルチグルー
ヘアズイヤーニンフなどをタイイングする時に使うマルチグルー。
スレッドに塗るとペトペトになって、ダビング材が引っ付くようになります。
シールズファーなどのスレッドに撚り付けにくいダビング材を使用する時に持っていると便利です。
- おすすめ度 ★★★☆☆
ワプシ プレミアムダビングワックス
スレッドにダビング材を撚りつける時にあると便利なワックス剤です。
スティックのりの様な容器に入っているので、手が汚れずオススメです。
ラビットなど比較的ダビングのしやすい材料に適したレギュラーと、シールズ・ファーなどダビングのしにくい材料に適した強力なSSタイプの2種類があります。
私は、レギュラーのみを使っています。
- おすすめ度 ★★★☆☆
瞬間接着剤
ソルトフライのタイイングによく使う瞬間接着剤です。
百均のハケ付きのを愛用しています。
スレッドのフィニッシュやシールアイの貼り付けなど、ソルトフライのタイイングには必需品です。
UVレジン
紫外線を当てることで硬化するUVレジンです。
近くのフライショップで取り扱っているプロスポーツフィッシャーのものを今は使っています。似たようなものが釣具屋さんでも扱われているので、多分使えるかと思います。
ソルトフライのヘッドを作ったりする時や、シールアイを貼ったあとに保護するために塗ったりなど様々な使い道があり非常に便利です。
プロスポーツフィッシャーのUVレジンは、硬化後も若干柔らかくガチガチに固まらないので、フライを堤防など硬いところにぶつけても割れることが少ないのが良いところです。
UVレジンは通常の接着剤やシリコンと違い、UVライトを当てれば一瞬で固まるので時間短縮にもなります。ただちょっと高いですけどね。
最近では、百均の手芸コーナーにもUVレジンが置いてありすごく身近になりました。まだ使ったことがないですが、今度試してみたいと思います。
ちなみにYou Tubeのタイイング動画でよく使われているのが、星の雫というUVレジン。
結構使い勝手も良いみたいです。
UVライト
UVレジンを硬化させるためのライトです。
UVレジンを固める以外にも夜釣りをする時に夜光塗料の塗ってあるジグヘッドなどに当てると、通常のライトよりも紫外線を当てたほうが強く光るそうです。
他にもいろいろ使い道があり、ペットのおしっこを見つけたり、暗闇に潜むサソリを見つけることが出来たりと様々な使い方ができます。
一家に一台必需品です。
波長によってだいぶ値段の差がありますが、UVレジンを硬化させるだけなら安いのでも大丈夫。
まとめ
最初にも書いたとおり、タイイングするためには色々なツールが必要となりますが、最初から全部揃える必要はありません。
また、専用の道具などを使わなくても、百均で売っていたりするものでも十分にタイイングをすることが出来ます。
専用品じゃないとどうにもならないのは、ボビンホルダーぐらいで他のものはけっこう代用できたりするのではないでしょうか。
私も最初に買ったのはバイスとボビンホルダー、ハックルプライヤーぐらいでした。
少しづつツールを揃えながら、タイイングを楽しんでもらえると良いかなと思います。
おしまい。
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