ゴールデンウィークが明けて6月に入りますと、浜名湖のクロダイサイトフィッシングのシーズンが開幕します。
浜名湖より発祥したクロダイのサイトフィッシングですが、最近では多摩川河口や長崎の大村湾など各地で釣り場が開拓されて楽しまれています。
広々としたフラットと呼ばれる遠浅のシャローに立って、夢中でテーリングしているクロダイに向かってフライをキャストする。
こんなエキサイティングな釣りをやったことないなんて、人生損してますぜ。
そもそもサイトフィッシングって何?
サイトフィッシングとは、目で見えている魚を釣るスタイルの釣りのこと。
通常、魚釣りって魚のいそうなポイントを見つけて、そこに仕掛けやらルアー、フライを投げて釣りをしますよね?
そのポイントに魚がいるか、いないかは実際に釣れてみないと分からないわけです。
しかしサイトフィッシングでは、フラットと呼ばれる膝下あたりの水深のエリアで、エサを食べるために上がってくるクロダイを待ち伏せて釣りをします。
水面に波紋を出しながら向かってくるナーバスウォーターや、湖底のエサを捕食するために行うテーリングを呼ばれる捕食行動を探して釣りをします。
ただ魚のいるエリアを見つけることが、なかなか経験がいるため難しいところではあるのですが・・・
You TubeやDVDで釣りの様子を動画を見ることもできるので、一度見て欲しいです。
この釣りの魅力がよく分かると思います。
また、先日発売されたフライフィッシャー増刊「ソルト&ウォームウォーターフライフィッシャー」でもかなり詳しく紹介されています。

見えてる魚って釣れないってよく言うけど実際どうなの?
よくバスフィッシングでは「見えバスは釣れない」などと言われます。
クロダイの場合状況にもよりますが、テーリングと呼ばれる捕食行動をしている魚を見つけられれば、釣れる確率は格段に上がります。
クロダイサイトフィッシングのタックル

使用するタックルはこんな感じ。
フライラインとリーダーはループトゥループ、リーダーとティペットは電車結びで結束しています。
ロッド
6番〜8番ぐらいの9ftのロッドが良いです。
できればガイドやリールシートの錆びにくいソルト対応のものが良いですが、使用後きちんと洗って塩抜きをすればどんなロッドでも大丈夫です。
せっかく買うのなら、ECHOのロッドはコストパフォーマンスも良くてオススメです。
ちなみに、個人的にはechoのグラスロッドがかなり気になっています。バスバグなんかとも併用できそうですしね。

余裕がある人には、海外メーカーのハイエンドロッドがオススメ。
Thomas&ThomasやSAGEなどのハイエンドロッドには、生涯保証付きで破損したときでも、無料もしくは格安で修理が出来るモデルもあります。
以前、ロッドを初めて使った日に根がかりを外そうとして、ティップを折ってしまったことがあります。
後日修理に出したら、折れた部分にガイドを付け直すのではなく、ブランクスごと交換されて戻ってきました。しかも無料で!
あのときは、かなり無理して買ったロッドでしたが、本当に良かったな〜と思いました。
リール
6番〜8番のフライラインと100ft以上のバッキングラインが収納できるリールが必要になります。
ディスクブレーキ付きでソルト対応のものが最適ですが、釣行後手入れをしてすれば淡水用のリールでも問題なく使えます。

私が今使っているのはウェルストンの淡水用リール#7-8Trout3。
バラバラに分解できメンテナンス性もいい上、調子が悪くなったときでもアフターサービスもしっかりしています。
フライライン
各番手のロッドに合わせたフローティングラインでソルト用のものがオススメ。
ソルト用のラインは、熱さに強くなっていたり、海水に濡れたラインがロッドに張り付かないような処理がされていたりします。

テーパーリーダー
以前はフロロカーボンの-2x 9ft~12ftを使っていましたが、最近はバリバスから出ているソルト向けのナイロンリーダーを気に入って使っています。

サイトフィッシング用に視認性の良いピンクのテーパーリーダーも出たので、一度使ってみたいですね。
天気のいい日にはかなりはっきりラインが見えるそうなので、強力な武器になりそうです。

ティペット
ティペットはフロロを使用。
基本パターンは0Xと2Xを、それぞれ半ヒロほどの長さに接続して使います。
状況に応じて1Xに変えたりすることもあります。

フライはどんなのを使えばいい?


フライはこんな感じの、カニやエビをイメージしたものを使います。
私は杉浦さんのパターン「シュリクラ」や「浜名湖ボンバー」を使っています。
タイイング動画があまり公開されていないのですが、フライフィッシャーオンラインの有料会員になると閲覧できます。
https://flyfisher.tsuribito.co.jp/event/ffacademy_sugiurahamanakoonline
最初に紹介したDVD「On the FLAT」でも「シュリクラ」「浜名湖ボンバー」などのタイイング動画が紹介されています。
また、You Tubeを検索してみるといくつかタイイング動画も上がっているので、参考になるかと思います。
釣りのときはどんな格好をしていけばいいの?

サイトフィッシングは、フラットと呼ばれる浅場を歩きながら魚を探して釣っていきます。
開幕したばかりの6月や涼しくなってきた秋口はウェーダーを履いて釣りをしますが、海水温が上がってきてからはウェーダーでは暑いので、ウェットウェーディングと呼ばれる速乾性のパンツとサーフシューズのまま水の中に入っていくスタイルとなります。
足元
履いていく靴は、サーフシューズやフラットスニーカーと呼ばれる砂の入りにくいブーツが良いです。
ウェーディングブーツを履く場合は、グラベルガード付きのウェーディングソックスを履くことをオススメします。
パタゴニア公式サイト ユーレックス・ウェーディング・ソックス・ウィズ・グラベル・ガード靴の中に砂が入りにくいため、快適に釣りができますよ。
また、釣り場となるフラットにはかなりの数のエイが潜んでいます。
砂に潜っていることもあるので気づかずに踏んづけてしまい、エイの棘に刺される事故が毎年多くおきています。
その対策としてレイガードという、防弾チョッキと同じ素材で出来ているソックスがあります。
ただ、かなり値段が高いので私は履いていませんが・・・
アクティブエイガードという製品もあり、こちらは水中に微弱な電流を流すことで、エイが逃げていくというものらしいです。
ヤフオクでしか購入出来ないので少し怪しい感じもしますが、ものはちゃんとしているようです。
エイ対策としては他にも、フラットを歩く時にウェーディングスタッフなどで地面を突っつきながら歩いたりします。
エイに刺されるとかなりの激痛に襲われるので、気をつけましょうね。

上半身
上半身は日焼け防止のため、UVカットの長袖のシャツが必要となります。
フード付きで速乾性があれば言うことなしです。
暑いからといって、半袖のTシャツでやるのは厳禁ですよ。
私はパタゴニアのメンズ・トロピック・コンフォート・フーディIIを愛用しています。
【送料無料】パタゴニア(patagonia) M’s Tropic Comfort Hoody II(トロピック コンフォート フーディ II) M FRBG 52124顔
キャップ、偏光グラス、BUFFで完全ガードです。
ウェーディングをしていると水面で紫外線を反射してしまうため、日焼け止めをしっかりしておかないと一日で真っ黒になってしまいます。
あと、偏光グラスもしないと目がチカチカしてしまって釣りにならなくなってしまいます。
目の保護だけではなく、魚を探すためにも偏光グラスは必需品です。


手
UVカットグローブを付けておくと、手の甲の日焼けを防げます。
キャスティング用の厚手タイプより、薄手の速乾性のタイプが使いやすいです。
patagonia サン・グローブソルト用のラインは表面がヤスリのようにザラザラしているため、リトリーブしていると指が切れてしまうことがあります。
そこでケガ防止のため、ストリッピングガードという指サックみたいなのを装着します。

その他のアイテム
ライフジャケット
ガイドを手配したときは、ボートに乗るために桜マークの付いたライフジャケットが必要となります。
シーバスフィッシングに使われているようなポケットがいっぱい付いたライジャケは、桜マークが付いていないため遊漁船には使用できないので注意が必要です。
フライで使うのなら肩掛け式より腰巻き式の方が、ラインが引っかかり難いためオススメです。

もちろんウェーディング中は自動膨張式のライジャケは脱がないと、釣りの最中に膨らんでしまうことがあるので要注意です。
以前、勢いよくボートから降りたらライジャケ外すの忘れてて、思いっきり膨らました人もいました。
日焼け止め
前述したように、海水面が紫外線を反射するため、ウェーディング中はかなりの紫外線を浴びます。
なので、しっかりUV対策をしないと悲惨なことになってしまいます。
気をつけないといけないのは、顔はもちろん、首すじやシャツとグローブから覗いた手首・指先など。
以前手首に日焼け止めを塗り忘れて、ブレスレットのような日焼けをしてしまったことがあります。
日焼け止めは、こまめに塗るのが効果的です。
スプレー式の日焼け止めなら、手軽に塗ることが出来るため非常に便利でオススメです。

水分・塩分補給
真夏の炎天下に一日中いると、熱射病などの危険性もあります。
塩分が補給できるタブレットやゼリー、経口補水液などを持っていくと、いざというとき役に立ちます。
ラインバスケット
浜名湖は絶えず潮の流れが変わるため、ラインバスケットを使ったほうがラインが絡まず便利です。
ストリンガー
ストリンガーがあれば魚が釣れたときにイケスに入れるために、いちいちボートに戻る必要がなくなります。
魚を持ち帰る人なら、小さいので一個持っておくと便利ですよ。

クーラーボックス
お昼ごはんを入れておく用に小さい8Lぐらいのクーラーボックスと、持ち帰り用の30Lクラスのクーラーボックスがあると便利です。
ちなみに、折りたたみのできるクーラーボックスは、ボートが潮を被ったときなどに中がびしょびしょになってしまうのでオススメしません。


新鮮な魚を持ち帰るために保冷剤も用意しておきましょう。

ランディングネット
ランディングネットは堤防などでよく使われるような玉網よりも、グリップの短いネットのほうがウェーディングするときには使いやすいです。

マグネットジョイントを付けておくと、携帯する時にもジャマにならず便利です。
浜名湖でクロダイを釣るためには、ガイドしてもらうのもオススメ
浜名湖でクロダイを釣り上げるためには、まずクロダイを見つけるところから始めなくてはなりません。
しかし、広大な浜名湖のどこにクロダイがいるのか、なかなか初めての人にはわかりにくいかと思います。
そんな人の強い味方がガイドサービスです。
確実に釣れるとは行かないかもしれませんが、かなり確率は上がるんではないかなと思います。
私も、実際にガイドを申し込んだことがあるのですが、素人が見つけることの出来ない魚を、長年の経験で見つけ出しサポートしてくれます。
ボートでしか行けないポイントにも連れて行ってもらえるので、普段オカッパリでは行けないようなところでも釣りをすることが出来ますよ。
浜名湖のフライフィッシングガイドといえばやはりTEALでしょう。
横で教えてもらいながらガイドしていただいたのですが、マジで「神の目」を持っていますよ。
杉浦さんのガイドがなければ、45オーバーのクロダイは取れなかったと思います。
TEALでのガイド依頼のやり方などは、この記事を参考にしてみてください。

浜名湖以外でも各地でガイドをやっている方がいますし、フライショップによってはツアーを組んでいる所もあります。
もし興味のある方は、申し込んでみてはいかがでしょうか。
おしまい。
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