先日、岐阜県の宮川で釣りをしていたとき、うっかりと水深が深く流れの速い瀬に入ってしまい、かなり怖い思いをしました。
その時はウェーディングスタッフを使っていたのでなんとか脱出できましたが、もし持っていなかったら瀬の真ん中ですっ転んで流されていたかもしれません。
特に本流では川底も苔のついた岩がゴロゴロしていますし、水の流れも速く体にかかる圧も強いため、一歩間違うと重大な事故に繋がりかねません。
そんなわけで、あらためて安全にウェーディングするために、必要な装備を見直してみたいと思います。
ウェーディング中に転倒することの危険性
ウェーディングしている時に転倒してしまうと危険なことは誰にでも想像できると思いますが、実際にどんなふうになってしまうか理解している人はあまり多くないのではないでしょうか。
ウェーダーの中に水が入ってきてしまう
まず川で転倒すると、ウェーダーの中に水が侵入してきてしまいます。
そうなるとつま先側に空気が溜まってしまいまい、浮力で足が浮かんでしまい立ち上がることができなくなります。
上半身が水に沈んで呼吸が確保できなくなる
更に下半身が持ち上がってしまうと、頭が水面下に沈んでしまい呼吸ができなくなります。
本流などの流れの強い場所では、そのまま流されて岩などに頭をぶつけてしまい気絶することもあるようです。
ウェーディング中の事故を防ぐためのポイント
そんなわけで、ウェーディング中の事故を防ぐには、
- 水深の深いところや流れの速いところには近づきすぎない。
- 転ばないようにする。
- ウェーダー内に水が侵入しにくくする。
- 上半身を沈めない。
ことが、重要になってきます。
今回の私のように、釣りに夢中になってしまうあまりいつの間にか深みにハマってしまった時のため、最後の手助けとして安全装備があります。
流れの速い瀬で腰まで水に浸かってしまうと、水流に押され支えなしでは立っていることさえ精一杯になってしまいます。
本流でのウェーディングは、基本的には膝辺りまでに留めておいたほうが無難です。
渓流・本流でのウェーディングに必要な装備
ウェーダー
よほど水深が浅くない限り、フライフィッシングではチェストハイウェーダーが基本かなと思います。
見た目にはそれほど深く感じなくても、水に入ってみると思いのほか深いということはよくあります。
チェストハイは蒸れて暑いという声も聞きますが、透湿素材のウェーダーなら快適に釣りができますよ。

ウェーディングブーツ
ウェーディングブーツには、ソールの素材によって大きく2種類のものがあります。
一つはゴム製のラジアルソール、もう一つはフェルトソールです。
ラジアルソールは、サーフや河口などの砂地でのウェーディングにはぴったりですが、苔のついた岩の上に乗ってしまうと全くグリップが効きません。
スパイクを打つことで多少グリップ力を上げる事もできますが、やはり本流や渓流ではフェルトソールのウェーディングブーツが安全です。

まぁ、フェルトソールでも油断していると転びそうになるんですけどね・・・
ウェーディングスタッフ

本流でウェーディングしている人でも、案外持っている人が少ないのがウェーディングスタッフ。
「転ばぬ先の杖」ではありませんが、フェルトソールのブーツに並ぶぐらいウェーディング中の転倒防止には重要な装備です。
アキスコのスタッフは価格のお手ごろで、頑丈で周りでも使っている人が多いですね。
フォックスファイヤーのウェーディングスタッフは、グリップにネジが付いているのでカメラを取り付けて一脚としても使えます。

写真の上側のような登山用のトレッキングポールを流用するのもいいですが、岩の隙間に差し込んだりする時にバスケットが邪魔になったりするので、やはり専用品のほうが使い勝手はいいです。
バスケットが外せるトレッキングポールもありますけどね。

ちなみに私の使っているのはSIMMSのウェーディングスタッフ。
モデルチェンジする前のアルミ製のウェーディングスタッフです。
カーボン製のスタッフより重いですが、頑丈でとても気に入っています。
買った当時はただの棒なのに随分高いな〜と思いましたが、今では一番買っておいてよかったと思う装備かもしれません。
ライフジャケット
遊漁船での着用が義務化されたこともあり、かなり一般にも認知されているライフジャケット。
シーバスやサーフのウェーディングでは、ゲームベストを着用している人は多いかと思います。
でも、フライフィッシングでライジャケを着用している人は。ほとんど見たことがありません。フライフィッシングではフライベストが定番ですしね。
ここ最近ではパズデザインが、トラウトアングラーもフローティングベスト着用を推奨したりしていますが、まだまだ浸透するまでには時間がかかるかもしれません。
トラウトアングラーもフローティングベスト着用のお願い(岩崎清志 宮城県)
私はライフジャケットは着用してはいないのですが、代わりにウォータープルーフのバックパックを背負っています。
パタゴニア公式サイト ガイドウォーター・バックパック 29Lもし沈したときでも、バックパックが浮力体代わりになって上半身が水に沈むのを防いでくれます。
手動膨張式の小型ライフベストもあるので、そちらを利用してもいいかもしれません。

ウェーディングベルト
ウェディング中に沈すると、ウェーダー中に水が入ってきてしまいます。
大量にウェーダー内に水が入ってきてしまうと重みで身動きが取れなくなってしまうので、それを防ぐためにしっかりベルトで締めてウェーダーの内部まで水が侵入しないようにする必要があります。
ウェーダー付属のベルトもありますが、FoxFireのマルチベルトIIのような幅広のベルトを締めておくと腰も楽でオススメです。

ウェーダーのベルトループには通すことが出来ませんが、ウェーダーの上から締めておけば、そこまでズレることもありませんよ。
ループやDカンも付いているので、アクセサリー類を取り付けることも出来て非常に便利です。
何よりウェーディング中は結構腰にくるので、腰痛持ちには必需品です。
まとめ
楽しいはずの釣りですが、毎年水難事故のニュースが絶えることはありません。
私も、いままで何回か「ウェーディングスタッフがあって良かった〜」というような場面があるのですが、やはりあまり深いところや流れの強いところには近づかないのが一番の安全対策です。
それでも、後もう少しポイントに近づきたいというのが釣り人の性なんでしょうが・・・
もし事故にあってしまうと本人が辛いだけではなく、家族や周りの人も悲しませる事態になってしまいかねません。
そんなことがないように、安全に釣りを楽しみたいですね。
自宅に帰るまでが釣りですよ。
おしまい。
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